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  <title type="text">空箱</title>
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    <published>2022-09-11T04:32:47+09:00</published> 
    <updated>2022-09-11T04:32:47+09:00</updated> 
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    <title>喧嘩</title>
    <content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="utf-8"> 
      <![CDATA[<div>レイに頼まれたものを届けに家を訪ねた時、塀の外から我らが女王様&hellip;セナの姿が見えた時から嫌な予感はしていた。あちらもリリィに気付いたようでじっとこちらを見つめながらも何を言うでもなく、普段からあまり仕事をしない表情筋をきゅっと緊張させて玄関前で仁王立ちしている姿は不穏でしかない。</div>
<div>「お嬢、レイは居るか？」</div>
<div>退いてもらわねば家にも入れないとまずは気付かぬ振りでいつも通りに声を掛けてみたが見事に地雷を踏み抜いたらしい。むうと唇が尖ったかと思うと延びてきた小さな両手がリリィの角を掴み、ぐいぐいと下に引っ張る。</div>
<div>「いたたたたた&hellip;え、何だ、痛いんだが」</div>
<div>力尽くで止めさせる事は簡単だ。だがそれでは目の前の女王様が余計にご機嫌を損ねるのは身に染みている。大人しく引かれるがままに身を屈め、ついには草の上に腰を下ろしてようやく手が離れる。何がしたかったのかもわからずセナを見ればいそいそとリリィの足の間に膝を抱えて収まった所だった。ぽすんと頭が胸元に預けられてやっと、ああこれは拗ねていたのかと察する。レイやセスならばもっと早くに気付けていたのだろうが、いまいち人の機微はよくわからない。</div>
<div>「&hellip;またレイと喧嘩したのか」</div>
<div>返事は無い。それはつまり肯定だろう。これはまた面倒臭いと思わず深い溜め息が零れた。今日は届け物を渡したらさっさと帰ってのんびり風呂にでも浸かるつもりだったのに。</div>
<div>「&hellip;&hellip;&hellip;ぃもん」</div>
<div>「うん？」</div>
<div>「&hellip;にーにが悪いもん」</div>
<div>「&hellip;そうか」</div>
<div>ぐりぐりと押し付けられる頭を撫でる。</div>
<div>喧嘩の原因がなんだとか、実際どちらが悪いのかはわからない。だがそこを問い仲直りさせるのはセスの役目であって、リリィはただ肯定して慰める役、と分担が出来たのはいつからだろうか。今ごろはセスの元にレイが駆け込んでるのかもしれない。そんな事を思った側からリンクパールが着信を告げる。</div>
<div>『セスだ。そっちにお嬢居るか』</div>
<div>「玄関前で取っ捕まった。レイはそっちか？」</div>
<div>『ああ』</div>
<div>「わかった」</div>
<div>必要な情報だけわかれば後は用は無いとばかりにリンクパールは音を失った。だがレイがセスの所に居るのであれば、そのうちセスに説得されて帰って来るだろう。想定よりは早く解決しそうな予感に胸を撫で下ろし、セスが来るなら多少セナの機嫌が悪化しても構わないだろうと立ち上がる。一人でこの女王様のご機嫌取りをしなかくてはいけないのならば細心の注意を払って挑まなければいけないが、セスならば何とかしてくれる筈だ。彼はリリィよりもずっもこの兄弟の扱いに長けている。</div>
<div>「&hellip;&hellip;お嬢」</div>
<div>しかし素直に共に立ち上がってくれるとは思わなかったが、ここから梃子でも動かないという意思表示なのか足にひっしとしがみつくセナに思わず苦笑が漏れる。</div>
<div>「もう日も暮れて寒くなる。せめて家の中に入ろう」</div>
<div>ぎう、と余計にしがみつく力が強くなる。此処でこのままセナの気が済むまで居てやっても良いが、出来れば暖かい家の中に入りたい。試しにしがみつかれた足を持ち上げてみると、確りしがみついているせいか案外楽にセナごと持ち上がってしまった。</div>
<div>「とりあえず、中に入るぞ」</div>
<div>それでも離れ無いのを良いことにずるずるとセナをまとわりつかせたまま足を引きずって玄関へと向かう。地面に引きずられないようにちゃっかりリリィの足の甲の上に尻を乗せてしがみつく姿に思わず笑いを誘われながら、漸く家の中に入る。</div>
<div>思いの外、冷えていたらしい。暖かな部屋の温度に肩の緊張が解ける。そのままずるずると壁際まで行くと、壁を背にして腰を下ろし、両手を開いてやる。</div>
<div>「ん」</div>
<div>正しくその意味を理解したセナが再び胸元にべったりとしがみついてくるのを抱き留めて、髪を撫でてやる。</div>
<div>あとは、少しでも早く二人が帰って来てくれることを祈るしかなかった。</div>]]> 
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            <name>case</name>
        </author>
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    <published>2022-09-11T04:31:05+09:00</published> 
    <updated>2022-09-11T04:31:05+09:00</updated> 
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    <title>うちの子設定</title>
    <content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="utf-8"> 
      <![CDATA[<div>【レイ】ミッドランダー(21)♂ナイト</div>
<div>このうちうち世界におけるヒカセン。表向きはブラメル家の次男坊、実際は三男。</div>
<div>伸び伸び元気に自由に育点てられたフリーダムなウェーイ系の筈なのに、妹やリリィが絡むと途端に苦労性の兄になる不思議。</div>
<div>兄二人との仲も良好だが妹のセナを溺愛しているシスコン。一緒のベッドで寝る仲（健全な兄妹愛）</div>
<div></div>
<div>世界中のNPC(老若男女問わず)を食べ歩く旅に出る！と家を飛び出した物の、最初に辿り着いたウルダハで妹とあっさり再会、そのまま二人旅へ。でもそれなりにNPCを食べ歩いてはいるらしい。</div>
<div>今まで使用人に囲まれていた生活から一転したものの楽しんでいる楽観主義者。</div>
<div>なお彼の冒険はイシュガルド入りした所で止まっている。</div>
<div></div>
<div><br />
<br />
<br />
</div>
<div>【リリィ】アウラ・ゼラ(26)♂白、サブでナイト</div>
<div>レイの幼馴染兼従者。穏やかで滅多に怒らないが優しいわけでは無いし怒ると怖い。</div>
<div>本名はリリィでは無い。それなりに大変だった過去を持っている筈だが現在大変元気なゴリラです。</div>
<div></div>
<div>家を飛び出したレイに結局呼び出されてはセスと共に旅のお手伝いをさせられている。「リリィちゃん、ちょっと帝国の最終兵器ぶっ潰すから手伝ってぇbyレイ」</div>
<div>のんびりまったりマイペース。と言うよりおおらかな自由人。レイもセスも弟のように思ってたが、気付いたらセスとそんな関係になっていた。</div>
<div></div>
<div><br />
<br />
<br />
</div>
<div>【セス】フォレスター(24)♂竜</div>
<div>ブラメル家の使用人の息子でレイの幼馴染兼従者。</div>
<div>神経質で口が悪いジャイアンだけど根が真面目。すぐ怒る。けどぶつくさ文句言いながら尻拭いに奔走してくれる。周りに自由人が多すぎるせいで貧乏クジを引きがち。オカン。</div>
<div></div>
<div>レイは仕える主であるものの弟感覚。現当主がおおらかなのでレイの事も平気で怒鳴りつけるし蹴倒す。</div>
<div></div>
<div>リリィとは一緒のベッドで寝る仲（すけべな方）。断固左側。恋とか愛とかではないけれど、リリィは自分の物だと思っている。</div>
<div></div>
<div><br />
<br />
<br />
</div>
<div>【カルラ】ミッドランダー(30)♀弓、サブは占？</div>
<div>レイが小さい頃にはブラメル家にニコと一緒に遊びに来ていた冒険者のお姉さん。現在はブラメル家のメイド。</div>
<div>&hellip;だったものの、上記三馬鹿のお手伝いしたり暴走特急セナの制御に駆り出されたりと結局冒険者生活。</div>
<div></div>
<div>過去は色々あったけれど、今はゆるふわえっちな皆のお姉さん。レイの初恋の人。</div>
<div>ニコとは長い付き合い。他の子達もなんだかんだ小さい頃から知ってるから皆可愛い。挨拶にハグを要求する系女子。</div>
<div>セナを制御できる有能だけど、セナに余計な知識も増やす人。<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
----------------------------------------<br />
此処からうちの子ではない<br />
【セナ】<br />
レイの妹。世界で一番お姫様。可愛い。<br />
<br />
【ニコ】<br />
ブラメル家の庭師。元冒険者。のんびりスローライフと思いきや飛び出したお嬢を保護しに再び冒険者生活へ。</div>]]> 
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            <name>case</name>
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    <published>2022-09-11T04:07:07+09:00</published> 
    <updated>2022-09-11T04:07:07+09:00</updated> 
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    <title>お休みの日</title>
    <content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="utf-8"> 
      <![CDATA[<div>主から突然「明日はお前ら二人とも休み！」と宣言されたのが昨日の夜。遠慮する仲でも無いのでありがたく二人揃って休みを頂く事になれば、まあ、夜はそうなるわけで。次の日が休みと言う気楽さで明け方まで励んでしまった為に寝不足で頭が重い。それなのにいつもと変わらない時間に目が覚めてしまう規則正しい自分が憎い。同じく本日休みの年上の幼馴染みは隣で一糸纏わぬ姿のままぐうすか寝ていると言うのに。二度寝してしまいたい気持ちもあるが何と無く気が引けて身体を起こす。こういう所が「セスは真面目だ」とからかわれるのだとわかってはいるが、性分なのだから仕方が無い。カーテンをそっと開ければ暖かな朝日が差し込んでいた。休日に相応しい、長閑で良い朝だ。<br />
<br />
<br />
</div>
<div></div>
<div>主の家に近い、それだけを理由に決めたラベンダーベッドのアパルトメント。生活に必要最低限の物はあるが、逆に言えばそれだけしかない。そろそろ手持ちの本も読み飽きてしまったから今日は新しく本を買いに行くのも良いかもしれない。それかこの彩り少ない部屋に置く物でも物色しに行こうか。良い天気だからただぼんやりと二人で釣りに行くのも良いかもしれない。普段、二人揃って一日中体が開く事なぞ無いに等しいから珍しいこの機会に浮き足立つような、それでいて不馴れ過ぎて何をして良いのかわからなくて不安なような気分だ。普段なら外で済ませてしまう食事を作ろうと思いたったのだってただぼんやりと相手が起きるのを待っているだけでは落ち着かないと言うだけの理由でしかない。<br />
<br />
<br />
</div>
<div></div>
<div>干からびかけたパンと、アンテロープの塩漬け肉、余ったからたまには自炊でもしたらと同僚に押し付けられたルビートマトと卵、酒の肴に買った食べかけのチーズ、それからこれだけは常備している山羊乳。家とは寝るだけの為にあるような男二人暮らしでこれだけの食材があるのも珍しい。大した物は作れないが、予定を決めて出掛けるまでの腹の足しにはなるだろうと耐熱の大皿に卵を割って溶き、山羊乳で少し薄めた所へかちかちに固まったパンを砕いたものを全て入れ塩胡椒を少々。ルビートマトとチーズ、塩漬け肉を全て荒く刻んでその上にばらまきオーブンに突っ込めば後は勝手に出来上がるのを待つだけだ。大抵の物は刻んでチーズを乗せて焼いてしまえば食べれる品になると言う同僚の教えが初めて役に立った。</div>
<div>後片付けを含めても大した時間も掛からず終わってしまい、結局また手持ち無沙汰に逆戻り。仕方なく洗濯をしてみたり大して散らかる物も無い部屋の掃除をしてみたりしている間に焦げた匂いがして慌ててオーブンから皿を取り出す。軽くついた焦げ目はむしろ食欲をそそるほどよい塩梅で知らず唇が緩んだ。味付けも濃い目にしておいたからこれなら冷めても美味しく食べられるだろう。ベッドの上を見れば大きな身体を丸めて惰眠を貪る背中。一人でやれることもやりきってしまい、諦めて屋敷から持ち込んだ少ない本に手を伸ばす。何度も読みすぎて刷りきれて来た背表紙から一つを選んでベッドの端へと腰を下ろした。<br />
<br />
<br />
</div>
<div></div>
<div>読み飽きたと思っていた本ではあるが、数有る蔵書から選び抜いた気に入りの本はやはり一度開くとページを捲る手が止まらない。ふと気づけば真っ白な長い腕が腰にぐるりと巻き付いていた。</div>
<div>「やっと起きたのか」</div>
<div>「ん、んー&hellip;&hellip;」</div>
<div>返事なのか寝言なのかわからない声を上げながら腰に抱き付くようにして顔を埋める相手の髪をぐしゃぐしゃと撫でて覚醒を促してやる。むずがるようにぎゅうと身体を丸めてよりしがみつく姿はまるで大きな子供だ。</div>
<div>「もうそろそろ昼だぞ」</div>
<div>「んんん&hellip;&hellip;だるい&hellip;&hellip;」</div>
<div>もごもごと腰の辺りで言いながら次第に手が足が絡み付いて行きついには腕の中に抱き込まれる。無抵抗な自分も自分だが、目覚めて早々、人をベッドに引き摺り戻す怠惰な相手も相手だ。すっかり抱き枕のようにすっぽり腕の中に収まってしまって心地好いやら悔しいやら、アウラとエレゼンでは元々体格が違うから仕方ない部分も大きいが。</div>
<div>「せっかくの休日を寝て過ごす気か？」</div>
<div>「せっかくの休日なんだから寝て過ごすべきだろ？」</div>
<div>寝起き眼がへにゃりと笑うだけでそれも良いかもしれないと思ってしまうのだから単純だ。</div>
<div>「わざわざ朝飯作ってやったのに」</div>
<div>「ちゃんと後で頂くさ」</div>
<div>「天気良いから外に出るのも気持ち良いと思うぞ」</div>
<div>「ベッドの中だって気持ち良いだろ」</div>
<div>前髪に口を埋めながらしゃべるものだから額がくすぐったい。だるいと言いながらも手がシャツの下に潜り込んで直に背を撫でるものだからぞわぞわしてしまう。抗議の意味合いで持って目の前の鎖骨へと軽く噛みついてやれば頭上でふふと楽しげな笑い声が漏れた。</div>
<div>「新しい本を買いに行きたかったのに」</div>
<div>「そんなのいつでも出来る」</div>
<div>「一緒のベッドで寝るのだっていつでもしているだろ」</div>
<div>「一日中ベッドの上はまだ経験が無い」</div>
<div>儚い反論はどうしてもベッドから離れたくない男によって尽く封じられてしまった。これはもう完敗だ、言う通りにするしかないと諦めて広い背を抱き締め返す。勝利を確信したにんまりとした笑顔が近付いて来るのにつられて頬を緩めながら、そっと瞼を下ろした。</div>]]> 
    </content>
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            <name>case</name>
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    <published>2022-09-11T03:07:50+09:00</published> 
    <updated>2022-09-11T03:07:50+09:00</updated> 
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    <title>無題</title>
    <content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="utf-8"> 
      <![CDATA[<div>二週間ぶりに訪れたリムサ・ロミンサのエーテライト前は今日も人で溢れている。時刻は丁度日が沈む頃、最も活気づく頃合いだった。このまま都市転送網で移動してしまっても良かったがなんとなく溢れる熱気に誘われるようにマーケットへと足を運ぶ。人波に揉まれながら、たくさんの人々が織りなす喧噪の一部に溶け込むのはさほど嫌いでは無い。むしろ名もわからぬ群衆の一部に溶け込むようなこの雰囲気は好きだ。多種多様の人種、職業、立場の人々の波間を泳ぎ、顔を認識できる程の距離をすれ違いながら決して記憶に残らず霧散してしまう、それは安らぎにも似た心地良さがあった。</div>
<div>人波に揺られる心地良さを存分に味わい、そろそろ立ち並ぶ商店も尽きようとする頃にふと見知った顔を見つけた。巴術士ギルドから出て来た長身は何やらギルドへと向かって挨拶を交わしているようだった。頭からつま先まで肌を隠すようなローブに、視線すら読み取らせない色の濃い眼鏡。その容姿は目立つのにどこか人を寄せ付けない雰囲気で心の内を窺わせない。サンクレッドはそんな男と、二週間前に寝た。</div>
<div>名誉の為に言い訳をするならばそれは決して自ら望んでそうしたわけでは無い。ちょっとしたミスと、事故、それから偶然が重なってなんとなくそんな流れになってしまっただけだ。本来ならばよっぽどの事でも無い限り「身内」に手を出すのは悪手でしかない。相手が性に奔放な遊び人ならともかく、片手で数える程度に女性と経験があるか無いかの男なら尚更。それでも「性に不慣れな男」との行為が思いの外、楽しかったのも事実だ。かつて、まだサンクレッドが明日も知れない生活をしていた頃、下手だなんだと罵る癖に顔を見れば褥に引き摺り込む数多の男達の理不尽な横暴に理解が出来ず苛立ったものだが今ならわかる。何も知らない無垢に自分を刻み付ける行為は想像以上に自尊心を満たしてくれると知ってしまった。</div>
<div>自分の性器を舐められる事すら汚いと恥ずかしがり、それでも力尽くで突き飛ばして逃げる程には拒絶しきれず、いやいやと言いながらもサンクレッドの舌の上で欲望のまま精を吐き出させた時の事を思い出してふつりと喉奥で笑う。と、ちょうど視線の先で男もこちらに気付いたようだった。驚いたように顔を上げ、それから軽く会釈をする。そのまま普通に挨拶を返しただけではきっと彼は逃げて行く。たった一度肌を重ねただけだったがそれくらいは直感で理解していた。彼が踵を返す前にぱかりと口を開いて舌を出せば、ちょうど振り返ろうとしていた男の動きが止まった。何をする気なのかと、ただそれだけの反射だろうが思わず口角が吊り上がるのを自覚する。そのまま差し出した舌を上下にゆったりと動かして見せる。それはちょうど二週間前に彼の裏筋を丹念に舌先でなぞってやった時のように、真っ直ぐに視線を重ねては時折唾液をすする真似をして唇を窄める。</div>
<div>効果は覿面だった。表情こそ変わらないがサンクレッドを止めに来ようとしているのか、それとも逃げようとしているのか自分でも判断がつかずにがたがたと揺れた挙句に何も無い場所で躓いて転びかける男に言いようのない満足感で満たされる。三週間前の彼であればこんなにも動揺しなかっただろう。精々が眉根を潜めて見なかった振りをするだけだ。それが今やどうだ。男もあの日の夜を思い起こして動揺している。男の中に確実にサンクレッドが刻み込まれている。</div>
<div>行こうか帰ろうか未だ迷い遂には道行く人に肩をぶつけてしまい、長い背丈を縮こまらせて謝る男をそろそろ助けてやらねばならない。きっと砂の家に着いたら何を言っているのかよくわからない長ったらしい言葉でお説教もされるのだろう。だがサンクレッドの心は弾んでいた。夜はまだまだこれからだ。</div>]]> 
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    <published>2022-02-12T02:03:54+09:00</published> 
    <updated>2022-02-12T02:03:54+09:00</updated> 
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    <title>二次会</title>
    <content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="utf-8"> 
      <![CDATA[<div>※カリ&larr;ジャミで兄&larr;レオ前提のセフレなレオジャミ多分現パロ</div>
<div></div>
<div>「んだその恰好」</div>
<div>「結婚式帰りなだけですが？」</div>
<div>「例の？」</div>
<div>「例の」</div>
<div>「先に言ってくれりゃあ、」</div>
<div>「慰めが欲しいんじゃないんですよ」</div>
<div>「じゃあなんだよ」</div>
<div>「手酷く犯されたい」</div>
<div>「そういうのは他を当たれ」</div>
<div>「アンタドМだもんな」</div>
<div>「わかってるなら、」</div>
<div>「でもアンタに酷くされたい」</div>
<div>そう言って濁った黒い瞳でひたりと見上げるジャミルの姿は、正直、レオナを昂らせるには十分だった。</div>
<div>安いモーテルのくすんだ背景の中、Ｔシャツとジーンズだけのラフなレオナの前に、多少の乱れはあるものの明らかに上等な生地だとわかるフォーマルスーツを着たジャミル。あまりにも場違いな恰好で、常と変わらぬようにつんと澄ました顔は、ほんの少し赤みを帯びて湿っていた。</div>
<div>「何も、そういうのが不得手なやつのとこに来る事ないだろ」</div>
<div>「だって、他に思いつかなかったんです」</div>
<div>「だからって俺の所じゃなくたっていいだろ」</div>
<div>「貴方以外に俺の痛みで傷ついてくれる人がいると思います？」</div>
<div>「巻き込むんじゃねえよ一人で泣いてろ」</div>
<div>「でもあなた、痛いの好きでしょう？」</div>
<div>そう言って、星の無い夜空のように虚ろな瞳が笑う。否定する言葉を持たないレオナはただ舌打ちすることしか出来なかった。</div>
<div></div>
<br />
<br />
<br />
<br />

<div>カリムが結婚した日</div>]]> 
    </content>
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            <name>case</name>
        </author>
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    <published>2022-02-12T02:02:41+09:00</published> 
    <updated>2022-02-12T02:02:41+09:00</updated> 
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    <title>妊活</title>
    <content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="utf-8"> 
      <![CDATA[<div>※結婚してるレオジャミ</div>
<div>※ジャミルが後天的に女体化</div>
<br />
<br />

<div></div>
<div>首から下腹部までなんの引っかかりも無く撫で下ろせるほどに平らなライン。少し胸を突き出してみた所で肋骨の骨の影が浮くだけで余計な脂肪は一切ありませんと言わんばかり。身長が縮んだばかりか肩幅も腰幅も狭まり、男であった時よりもさらに凹凸が無くなってしまった気がする。十年前くらいの妹がこんな体型だったような覚えがあるが、つまりは幼児体型、と呼ばれるものなのでは無かろうか。そのくせ、乳輪だけはぷっくりと膨れて存在を主張し、男の時には普通に見えていたはずの乳首が膨れた乳輪の中に埋まっている。</div>
<div>「おい、落ち着いたか？」</div>
<div>部屋の外からのレオナの声に我に返ったジャミルは、反射的に目を見開いたまま凝視していた鏡から顔を上げて扉へと向かう。正直なところ、一人で現状と向き合える気がしなかった。慣れない位置にあるドアノブを勢い良く押し開け、そのままレオナに飛びつこうとした。が。</div>
<div>普段なら目の前にはレオナの首から鎖骨辺りがあった筈だった。だが今視界を埋め尽くすのはレオナのみぞおち辺り、胸筋と腹筋が繋がり複雑な陰影を刻む肌。思わず足を止め、顔面を探して顔を上げれば、首が痛くなるほどに高い所から綺麗なエメラルドの瞳が困惑したようにジャミルを見下ろしていた。</div>
<div>「&hellip;&hellip;&hellip;これはまた&hellip;&hellip;随分と縮んだな？」</div>
<div></div>
<br />
<br />

<div></div>
<div></div>
<div>レオナとジャミルが結婚して数年。そろそろ子供を、となった時、同性同士での子供の作り方は数多にあれど、ジャミルが暫くの間女性の身体に変身する方法を取る事になったのはお互い良く話し合った上での事だった。男性の身体のまま子供を宿す器官を新たに作り出す方法と共に伝統的な手法として広く知られるこの方法ならば安全性が高い事が一番の理由。二番目の理由は純粋なる女体への興味。</div>
<div>元々男でも細身な方ではあったから肉感的な女性になれるとは思っていなかったが、さすがに此処まで酷いとも思っていなかった。</div>
<div>再び全身を映す鏡の前に二人で立つと、背後のレオナの影にすっぽりと収まってなお余るくらいでジャミルの小ささが際立つ。</div>
<div>「&hellip;&hellip;この身体でその気になれます&hellip;&hellip;？」</div>
<div>随分と甲高くなってしまった声は自分でも驚く程に不安で揺れていた。レオナの親族の女性は流石レオナと血の繋がりがあるだけあって、女性としての魅力に溢れた人ばかりだった。その目の肥えた男の前にこの身体はあまりに貧相だ。</div>
<div>「お前であればどんな見目だろうと興奮する。&hellip;&hellip;それよりもだな」</div>
<div>ジャミルの背後からただじっと鏡を見据えていたレオナが屈み込むと軽々と横抱きに抱えられる。あまりにも簡単そうにするものだから、まるで荷物にでもなったような気分だ。首筋に腕を回せば寄せられた唇が挨拶代わりに啄まれる。唇すらもいつもよりも違う感触のようで不思議な気分だった。そうしてまじまじと視線を重ねてから、レオナがゆるりと眉尻を下げて笑う。</div>
<div>「まずは、肉食って太れ。さすがにこの身体で子供を産ませられねぇ」</div>
<div>「やっぱりその気になれないんじゃないですか」</div>
<div>「違ぇよ」</div>
<div>ジャミルを抱えていてもレオナの歩みは軽かった。ベッドまで運ばれシーツの上へと下ろされると覆い被さる身体の大きさがまざまざと見せつけられる。</div>
<div>「ヤりてぇのは山々だがな、その華奢な身体で腹にもう一人抱えたら共倒れしかねないだろ」</div>
<div>「俺より小さい母親なんてザラにいるでしょう？」</div>
<div>「細すぎるって言ってんだよ。出産は体力勝負なんだろうから、まずは体力つけろ」</div>
<div>頬を撫でる掌はジャミルの首を容易く片手で折れそうな程に大きい。確かにレオナの心配は理解した。自分でもこの華奢な身体に命を宿せるというのはいまいちピンと来ない。まだ変身したばかりで見慣れないせいもあるだろうが、頼りないと思うのもわかる。だが。</div>
<div>「&hellip;&hellip;&hellip;&hellip;&hellip;じゃあ、俺が太るまでは、してくれないんですか？」</div>
<div>自分の唇から出た聞き慣れない声があからさまに拗ねた音になっているのを他人事のように聞く。未知の体験に不安が無かったわけではないが、それでもジャミルとてそれなりに楽しみにしていたのだ。</div>
<div>「するのは構わねぇ、というよりはヤりてぇんだがな」</div>
<div>そう言って身を起こしたレオナがおもむろにスウェットをずり下ろす。下着も履いていないせいでぼろりと零れ落ちるのは見慣れた筈のレオナの、まだ柔らかいモノ。</div>
<div>「え&hellip;&hellip;おっきい&hellip;&hellip;」</div>
<div>「入ると思うか？コレ」</div>
<div>コレ、と。腹の上に乗せられたものすら男の身体であった時よりも大きく見える。感覚的には普段の臨戦態勢にまで膨らんだ時のサイズだが、現実にはまだ萎えた状態のまま。つまりは、これが最大サイズになった時は小さくなったジャミルの身体の半分くらいまで易々と貫いてしまうのではないかと思うとぞわりと肌が粟立ち、今までとは違う腹の奥深くがきゅうきゅうと疼く。多分、これは期待。疼く場所に触れてもらう気持ち良さをジャミルは知っている。</div>
<div>「&hellip;&hellip;入るか否かじゃなくて、入れるんですよ」</div>
<div>「たまに馬鹿みたいに脳筋になるよな、お前」</div>
<div>くは、と笑ったレオナがスウェットを脱ぎ捨てると改めてジャミルの上にのしかかる。いつもと違い過ぎる状況に、初めてレオナと身を重ねた時のようにわけもなくどきどきした。</div>
<div>「じゃあ、まあ、覚悟して受け入れろよ？」</div>
<br />
<br />

<div></div>
<div></div>
<div></div>
<div></div>
<div>どこもかしこも細くて繊細な生き物になってしまったジャミルの肌を全身くまなく、それこそ足の爪の先まで丹念に指と舌で辿り熱を灯す。これがジャミルだと知らなければ、こんな幼い身体に欲情するのは変態のクソ野郎だと軽蔑していただろう。舌で触れるだけでもわかるほど薄い皮膚の下には骨の感触。出る所も引っ込む所も無いまっすぐなライン。立派な成人男性が欲情をぶつける相手では無いと頭ではわかっているのに、それがジャミルだと思うだけで身体は素直に反応するのだから正直なものだ。性欲とは無縁だと言わんばかりの身体のくせにレオナを知り尽くした瞳が、手が、慣れた手管でレオナを誘えば抗えない。匂いは確かにジャミルなのに強烈な雌の匂いが混ざっていればなおさら。</div>
<div>「れお、な&hellip;&hellip;も、やだぁ&hellip;&hellip;ッ」</div>
<div>狭い癖に溺れる程に蜜を溢れさせる場所を啜ってやるだけでジャミルの身体がびくびくと跳ね上がる。どろどろに蕩けているはずなのに無垢な場所はレオナの指をやっと二本受け入れられるようになっただけで、痛い程に昂ったままお預けを食らわされている物を入れれば双方痛みを伴う事だろう。</div>
<div>「お腹、奥がぎゅううってしてるんです&hellip;&hellip;はやく、入れてくださ&hellip;&hellip;」</div>
<div>「此処だろ？」</div>
<div>男を受け入れる事も出来ていない癖に下りてきている子宮口を捏ねてやれば悲鳴を上げてジャミルが仰け反りまた達したようだった。戦慄く粘膜の強い締め付けを指で味わう事しか出来ない虚しさに余計に下腹部の痛みが増した気がした。</div>
<div>「っひ、&hellip;&hellip;ぅ、も、入れてくださいぃ&hellip;&hellip;」</div>
<div>「入るわけねぇだろ、狭すぎる」</div>
<div>「痛くても大丈夫ですからぁ&hellip;&hellip;っ」</div>
<div>「俺は嫌だ」</div>
<div>「じゃ、じゃあお尻の方で&hellip;&hellip;」</div>
<div>「そこは本来入り口じゃねえんだよ」</div>
<div>一度やり遂げると腹を括ったジャミルの強さは美点だと思ってはいるがこんな時には邪魔なだけだ。そこが愛しいと思うのも事実ではあるのだが。</div>
<div>レオナは息を一つ吐くとかぶりついていたジャミルの足の合間から身を起こし、ジャミルの上に覆いかぶさるとジャミルの手を自らの股間へと導いてやった。熱く昂るその場所にはジャミルの細くなってしまった指先がひんやりと感じた。</div>
<div>「ひ、」</div>
<div>「入ると思うか？コレ」</div>
<div>小さくなったジャミルの手では余る程の大きさのソレの凶悪さは十分に伝わったらしい。息を飲んだまま固まってしまったジャミルにほっと息を吐く。</div>
<div>「&hellip;&hellip;せ、せめて舐めたいです&hellip;&hellip;」</div>
<div>「ああ、それは頼む」</div>
<div>申し訳ないとばかりに小さな掌がレオナを撫でる、その感触だけでもずっと我慢させられていた場所が暴発してしまいそうになるのを細く息を吐いて堪える。思うような性交が出来るようになるには、まだ暫く時間がかかりそうだった。</div>]]> 
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            <name>case</name>
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    <published>2022-02-12T02:00:36+09:00</published> 
    <updated>2022-02-12T02:00:36+09:00</updated> 
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    <title>バトル</title>
    <content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="utf-8"> 
      <![CDATA[<div>「あ&hellip;&hellip;先輩ごめんなさい&hellip;&hellip;っ」</div>
<div>振り返るジャミルの瞳孔が開き切っているのを認識すると同時に後ろへと飛び退ると、たった今レオナが立っていた場所で空気を切り裂くかまいたちが一気に破裂する。落ち着く間も無く距離を詰めるジャミルを交わしながら先ほどまで二人で対峙していた敵の姿を探せばどこかへと逃げ去った後だった。せっかくここまで追い詰めたというのに悔しいが、此処でうっかり敵の罠にハマり洗脳されているジャミルと共に襲い掛かられてはレオナとて対処しきれない。</div>
<div>「っっぶねぇ！！！」</div>
<div>よそ見した事を咎めるようにレオナの目前すれすれをジャミルの拳が横凪ぎに払われる。ただの拳だけであれば、ジャミルの動きは素早い物の軽いので受け止めれば良い。だが恐らく、長めの袖口には毒入りの刃が仕込まれている筈だ。掠るだけで容易くレオナの自由を奪うだろう。</div>
<div>自分のパワー不足を熟知したジャミルは素早い動きで敵を翻弄しながら幾度も浅い傷から毒を塗り込み行動不能にするスタイルを取る。力で傷つける事を目的としない為に踏み込みも浅く、力を溜める動作も殆ど見られず、まるで踊るようにレオナを追い詰めて行く。逆にレオナが何か行動をしようと踏み込めば容易く懐に潜り込んで来るだろうと思えば強引に動きを止めにかかるにもそれなりの隙を伺わなければならない。</div>
<div>「っんと敵に回すと面倒臭ぇなあテメェは！」</div>
<div>踊りの振りの一つのようにレオナの首へと伸ばされた腕をなんとか掴むも、それを待っていたかのように捕まれた腕を視点にぐんとレオナの懐に潜り込んだジャミルに、思わず反射的に風の魔法をぶつけて押し退ける。いとも簡単に宙を舞った身体はしかし、器用に空中で風を操り体勢を立て直すとふわりと地面に着地した。ひたりとレオナを射る眼が虚ろに見開かれているおぞましさに思わず顔を顰めつつ舌打ちを一つ。</div>
<div>「テメェ正気に返ったら覚えてろよ&hellip;&hellip;！」</div>]]> 
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            <name>case</name>
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    <published>2022-02-12T01:59:13+09:00</published> 
    <updated>2022-02-12T01:59:13+09:00</updated> 
    <category term="new" label="new" />
    <title>あけおめ</title>
    <content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="utf-8"> 
      <![CDATA[<div>あ、と。</div>
<div>あえかな吐息交じりの声がひんやりとレオナの聴覚に触れ、ぬかるみのような快感の中から理性を思い出させる。どうしたと問う代わりに、纏う汗すら残さず味わうように舌を這わせていた肌から顔を上げてジャミルを見下ろせば、快楽に蕩けた瞳が緩い弧を描いてレオナを見ていた。その満足げな顔に誘われるまま、少し干からびた唇を潤すように幾度か啄む。んふ、と待ち望んでいたかのような、吐息すら飲み込み同じ体温の舌を食むだけで、奥深くまで突き入れた場所がきゅうきゅうと締め付けられレオナも深く息を吐く。背を抱いていた指先がさも愛おしいと言わんばかりにレオナの肌に張り付く髪をかき上げ、髭が生え始めたざらつく頬を撫でていた。目と目を合わせ、肌の内側がさざめくような幸福感に満たされながら、言葉にせずとも全てを委ね、そして委ねられているような陶酔を噛み締めてようやく、思わせぶりな薄い唇が開かれる。</div>
<div>「あけましておめでとうございます」</div>
<div>一瞬、色欲に浸りきった脳では異国の言葉のように聞こえた。あけましておめでとうございます、もう一度心の中で繰り返し唱えてようやく意味を理解し、思わず片眉を上げる。</div>
<div>「&hellip;&hellip;今言う事か？」</div>
<div>「だって、ほら、年が明けたの、本当についさっきなんですよ」</div>
<div>ジャミルの目が動く方を見れば確かに時計は０時を２０分程過ぎた所だった。年号が変わることよりも、ベッドにジャミルを引き摺りこんでからもうそんなに時間が経っていたことへの驚きの方が強い。此処までレオナが没頭していたというのに、ジャミルは時計を気にする余裕があった事が面白く無くて、レオナを暖かく包み込む場所を揺する様に捏ねてやれば容易くジャミルが喉を晒して鳴いた。</div>
<div>「ずいぶんと暇にさせたみてぇで悪かったな？」</div>
<div>「ふ、そんなこと言ってないじゃないですか」</div>
<div>少し突くだけで簡単に快楽に飲み込まれるほどに蕩けている癖に、まるで保護者のような顔で年下の男が笑う。</div>
<div>「ただ、去年は日付が変わった事に気付く余裕もなかったなあって思って」</div>
<div>確かに去年の今頃はこんなにまったりと溶け合うようなセックスではなく、互いに奪い合うような激しい行為で貪っていた気がする。気付いた頃には外が明るくなり始め、ジャミルの喉は枯れ、お互い体力を使い果たして気絶するように眠り、そのまま一日中ベッドの中で元日を過ごした。</div>
<div>「&hellip;&hellip;嫌だったか？」</div>
<div>「まさか。最高でしたよ。次の日の事を考えなければ」</div>
<div>そうしてねだるようにジャミルの腕がレオナの首に絡みつき引き寄せられる。結局、言葉を取り繕っても物足りないという訴えに違いないことにひそりと笑いながら、レオナはジャミルの足を抱え直した。</div>
<div>「あ、でも流石に歩けないのは困るので加減してください」</div>
<div>「それは自力でどうにかしろ。ぶっ飛んだら延々とねだるのはテメェの方だ」</div>]]> 
    </content>
    <author>
            <name>case</name>
        </author>
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    <id>karabako.dou-jin.com://entry/218</id>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="https://karabako.dou-jin.com/Entry/218/" />
    <published>2022-02-12T01:54:42+09:00</published> 
    <updated>2022-02-12T01:54:42+09:00</updated> 
    <category term="new" label="new" />
    <title>つづかない</title>
    <content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="utf-8"> 
      <![CDATA[<a href="http://karabako.dou-jin.com/Entry/115/" title="">これ</a>のつづかない続き<br />
<br />

<div>部活を終え疲れ果てた身体で何よりも安全が約束された筈の自室の扉を開けた瞬間に香る、思考を乱す不快な甘い匂い。過去に一度しか嗅いだ事の無い匂いではあるが、その強烈な匂いは違えようも無い。</div>
<div>「はっ、二度と同じ過ちは犯さないとかなんとか言ってた癖に結局オネダリに来たのか？」</div>
<div>匂いの元のジャミルは大した面識も無い他寮の寮長部屋に不法侵入を果たしたくせに、扉脇の冷えた石造りの床の上で蹲っていた。汚物に触れるように爪先で脇腹を小突いても小さく呻き声をあげるだけで荒い呼吸に丸めた背中を泳がせている。前回のように何の抑制もされていない状態よりは大分マシだが、到底日常生活が常と変わらずに送れる状態には見えない。今回もまた薬を飲むのが遅れたか、それとも効きが悪くなったか。どちらにせよ、レオナには迷惑以外のなにものでもない。</div>
<div>「それとも本気でガキでも作りに来たか？たかだか商人の従者殿のお眼鏡に適って光栄だが生憎と俺は、」</div>
<div>「違い、ます&hellip;&hellip;！」</div>
<div>地の底から絞り出したような掠れた低音が足元でとぐろを巻いていた。ぬらりともたげた頭がレオナを見上げ、発情しきった相貌に擦りきれそうな理性を残した瞳。</div>
<div>「不躾なお願いとは、重々承知しています&hellip;&hellip;レオナ先輩の、服を、ください&hellip;&hellip;」</div>
<div>そう言って食い縛られた歯は、荒れ狂う欲を抑える為か、それとも。</div>
<div>可愛げの無さを鼻で笑いながらレオナはジャミルを置いてベッドへと近付き汗の染み込んだ運動着を脱ぎ捨てて行く。別に言われるがままに服をやるつもりはない。単純に着替えたかっただけだ。</div>
<div>「番でもねぇのに巣作りごっこか？アルファならテメェの傍にちょうど良いのがいるだろうが」</div>
<div>「カリムでは、効果が無くて&hellip;&hellip;」</div>
<div>「だからって俺以外にもアルファなんざ、」</div>
<div>「レオナ先輩のが良いんです！！！」</div>
<div>真っ直ぐにレオナを見上げ吠えるジャミルはなけなしの理性の皮を被っただけの餓えた野生の獣のようだった。以前のように暇を持て余しただ惰眠を貪るだけであったなら構ってやっても良いが、此処はレオナの褥だ。安全が約束された場所で無ければならないこの部屋に理性を乱す異物が存在するだけで苛立ちを覚えるには十分だ。前回が特例だっただけで。</div>
<div>「一回抱いてやっただけでもう番ヅラか？気持ち悪ぃ」</div>
<div>「俺だってアンタみたいな人に頼むなんて嫌だった！でも俺はアンタしか知らないから！」</div>
<div>「はっ、あれがハジメテだったとでも言うのかよ」</div>
<div>「そうですよそうじゃなきゃ誰がアンタなんかの&hellip;&hellip;！」</div>
<div></div>
<div></div>
<div></div>
<div></div>
<div>つづかない</div>
<div></div>]]> 
    </content>
    <author>
            <name>case</name>
        </author>
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    <id>karabako.dou-jin.com://entry/217</id>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="https://karabako.dou-jin.com/Entry/217/" />
    <published>2022-02-12T01:52:40+09:00</published> 
    <updated>2022-02-12T01:52:40+09:00</updated> 
    <category term="new" label="new" />
    <title>年齢逆転</title>
    <content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="utf-8"> 
      <![CDATA[<div>※一年生レオナ&times;三年生（ただし年齢はさらに一つ上）ジャミル</div>
<br />
<br />

<div></div>
<div>入学式も三回目となれば慣れたものだ。</div>
<div>長々と新入生の入寮先が決められる風景を来週一週間の献立を組み立てながらぼんやりと眺め、スカラビアに入る者と事前情報のあった要注意人物だけ記憶の中に留めて行く。</div>
<div>子役で有名なヴィル・シェーンハイトはポムフィオーレへ。何万年に一人の美少年だなんだと持て囃されていた彼ならば妥当な結果だろう。</div>
<div>魔法工学の分野で静かに噂になっているというイデア・シュラウドはイグニハイドへ。頭脳明晰であるのならスカラビアに来てもらいたいという気持ちはあったが、実際のイデアの陰気な姿を見ればイグニハイドしか無いというのが良く分かった。</div>
<div>妖精族の王子だというマレウス・ドラコニアと、その王子と随分親し気に話すリリア・ヴァンルージュは揃ってディアソムニアへ。正直、王族なんてややこしい存在がスカラビアに来られても面倒なだけなので他の寮にさえ行ってくれればそれで良い。</div>
<div>それから、もう一人夕焼けの草原の王族であるレオナ・キングスカラーはサバナクローへ。がさつな者が多いかの寮で、ヴィル・シェーンハイトに負けず劣らず愛らしい姿をした彼は王族である以外にも余計な揉め事を引き寄せそうだなと他人事ながら思う。まあ、ジャミルには関係の無い事だが。</div>
<br />
<br />

<div></div>
<div></div>
<div></div>
<div>中略</div>
<br />
<br />

<div></div>
<div></div>
<div></div>
<div>確かに顔は好みだった。女性であれば成長した頃に恋をしたかもしれないと思う程度には。</div>
<div>だが同時に弟のようだとも思っていた。学年で言えば二つ、年齢で言えば三つも下となればどうしても幼く見えてしまうのは仕方のない事だろう。この年頃の三歳差はとても大きい。</div>
<div>だから、膝を貸せよ、と上級生に向かってふてぶてしく命じ、そして今すやすやとジャミルの膝の上で幼い寝顔を晒すレオナに欲情を覚える日がくるだなんて、思ってもみなかったのだ。</div>
<div>入学式での印象を裏切り早々にサバナクロー寮を掌握したレオナは半年も経つと成長期を迎え随分と男らしくなっていたが、ジャミルに比べればまだまだ線が細くどこか危うげに見えて庇護欲をそそる。その上、王族らしく高慢な物言いをしつつも美しいエメラルドの瞳が上目遣いでジャミルを見る、年上の男への甘え方をよく知る手管にまんまと乗せられてしまった。</div>
<div>ただ甘やかし守ってやりたいというだけであれば妹と同じである筈だ。ジャミルは妹がたとえ全裸で目の前にいようと、はしたないとは思えど欲情はしない。しかしレオナに対しては、ジャミルのことを腹黒だ陰険だと罵る癖に無防備に身を預けて眠るようなこの寝顔一つで落ち着かない気持ちにさせられる。</div>
<div>目の前の男がただ無償の愛に身を捧げる優しいだけの人間ではないこともわからないような子供だと頭ではわかっていても、まだ柔らかさを残す頬が、穏やかな寝息に薄く開かれた唇が魅力的な物に見えて仕方ない。</div>
<div>「&hellip;&hellip;油断してると食うぞ」</div>
<div>そう、ぼやいては見るも、ジャミルのこの恋は誰にも知られぬまま終わるだろう。なにせ相手は王族だ。従者である自分が手を出したなんて知られたら国際問題になりかねない。</div>
<div>せめても、と。ジャミルには、柔らかな髪を撫でる事しか出来なかった。</div>
<div></div>
<br />
<br />

<div></div>
<div></div>
<div>中略</div>
<br />
<br />

<div></div>
<div></div>
<div></div>
<div>「人を部屋に呼びつけるならちゃんと服を着ろと何度も言ってるよな？」</div>
<div>扉を開けるなり目に入った光景にジャミルは辛うじてげんなりした顔を作って見せる。そうでもしなければ理性を保てそうになかった。</div>
<div>辛うじて下着だけは纏っているものの、子供から脱却しつつあるしなやかな身体が無防備にベッドに投げ出されていた。これがジャミル以外の、例えばサバナクローの多少腕に覚えのある男ならば簡単に凶行に走ってしまいそうな魅惑的な光景。</div>
<div>「テメェ相手に気を使う必要ねえだろ」</div>
<div>当の本人と言えば、くぁと欠伸を零しながら呑気なことをのたまう。その信頼がジャミルの優越感をくすぐると共に、一番に気を使うべき相手だと全く理解されていない失望を齎す。自分がどれだけ魅力的で年上の男の心をくすぐるかを知っている癖に、それがどれほどの危険を伴っているのか全く理解していないレオナに腹立たしさすら感じていた。</div>
<div>「何故、そう思う？」</div>
<div>うつ伏せに寝そべるレオナの隣に腰を下ろす時に軋むベッドの音がやけに耳に大きく届いた。恐らく、ジャミルは緊張している。だが、レオナは思い知るべきだ。</div>
<div>「テメェの心配は見当違いだって言ってんだよ、この木偶の坊」</div>
<div>そう言って、はしたなく大股を開いてジャミルの脇腹をつま先で小突くレオナに、見当違いはどちらの方だと呆れるやら、可愛いやらで小憎たらしい。</div>
<div>「何が、どう、見当違いなんだ」</div>
<div>上半身に比べてはしっかりとした足首を捉え、無造作に引き寄せてから強引にレオナの身体をひっくり返し圧し掛かる。ともすれば、今にも挿入する寸前のような性行為を匂わせる体勢だと言うのに、レオナと言えば瞳を輝かせてジャミルを見上げていた。</div>
<div>「逆に聞きてぇんだが。テメェは何をそんなに心配してやがる」</div>
<div>さらには体の細さに見合わぬ大きく胼胝のある掌がジャミルの頬を撫でる。男に組み敷かれていても意にも介さず、それどころか誘うようなその手管にふつりとジャミルの血管が切れる音がした。</div>
<div>「だから、お前は自分がどれだけ人の目を惹きつけるのか理解しろと――っ」</div>
<div>普段ならばジャミルと対等に舌戦を繰り広げられるレオナと言葉を交わすのも楽しみの一つだが今はその手間をかけるのも煩わしい。実際にどうなるのかわからせる為に、頬を撫でる手を捉えてシーツに縫い付けて顔を寄せ、唇を重ねる。重ねた筈、だった。</div>
<div>「―――っっっ！！？？」</div>
<div>夢にまで見た柔らかな感触は一瞬だけ。ぐん、と身体が浮く感覚に目を見開けば、気付いた時にはジャミルがシーツに背をつけ腰に跨るレオナを見上げていた。</div>
<div>「テメェは、俺に、惹かれたんだな？」</div>
<div>咄嗟に身を起そうとしても、胸に置かれたレオナの掌一つでシーツから離れる事が出来なかった。見た目こそ華奢な美少年である為に忘れがちだったが、レオナは一年にしてサバナクローの寮長であることを不意に思い出す。</div>
<div>「答えろ。お前は、そういう目で、俺を見ていたか？」</div>
<div>見下ろすエメラルドが獲物を狩る獣のように煌々と濡れていた。失敗したのだと、ジャミルはようやく理解する。教育の為に、という言い訳があったとしても、身分知らずにも王者に手を出そうとした不届き者は処分されるだけだ。</div>
<div>「ジャミル。答えろ」</div>
<div>断罪者はせっかちにもジャミルの上に体重を乗せて圧をかけて来た。端から叶わぬ恋だとわかっていた。実る事は無い儚い物だとわかっていた。欲を掻けば身を滅ぼすだけだと、重々承知の上だった。ならば、罪を問われた以上、罪人は自ら罪をつまびらかにすべきだろう。どうせ終わりになるなら全てぶちまけてやりたいという投げやりな気持ちもあった。</div>
<div>「ああそうだよずっとお前のことが好きだった！」</div>
<div>叫ぶように告白したジャミルを前に、レオナの綺麗な顔が年相応にあどけなく、だが雄の香りを纏わせて喜色を滲ませて口角を釣り上げていた。</div>]]> 
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