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空箱

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童貞を殺す服

「うわあ、すごくえっちだね」  
 お願いだから何も言わずにこれを着てくれと手渡された服に素直に着替えて部屋へと戻れば、出迎えたのはアーデンの満面の笑み。  
「ちょっとゆっくりぐるっと一周回ってみてよ」  
 鼻息荒く指示されて大人しく時間をかけてその場を回ってやる。たった一周回る間にうわぁ、だのすごい、だの興奮を抑えきれない声をあげるアーデンに思わず口許が緩んだ。  
 今レイヴスが着せられた服はいわゆる「童貞を殺す服」と呼ばれる物でノースリーブのニットワンピースのような形をしているが、背面の部分が大きく露出しており、ハイネックから繋がる前掛けと申し訳程度に腰回りを包む筒が繋がっただけの露出の高いものだ。正面から見ればあまり違和感はないかもしれないが横を向いただけですでに脇は何も隠されておらず、それどころか前面もレイヴスの胸を包み隠せる程の面積を持たない為に横から乳房がほとんどが露出しているような状態だ。男ならば興奮する衣装なのだろうということは嫌でもわかる。  
「ね、あっち向いてさ、膝に手をついてみてよ」  
 現にアーデンの股間は緩くスウェットを押し上げているし、あれやこれやとポーズの指示を出しながら視線は食い入るようにレイヴスの身体を見つめている。その熱っぽい視線につられるようにレイヴスの肌もじわりと熱を帯び始める。だがそれだけだ。あれやこれやと指示は出してもアーデン自身が手を出す気配は無い。  
「ね、ね、写真撮って良い?誰にも見せないから」  
 興奮冷めやらぬアーデンにだんだんと唇がへの字になって行くのを自覚しながら曖昧に頷くと、それを諾と受け取ったアーデンが喜び勇んでスマホを取りだし、また最初から色んなポーズをさせられた。  
 予想以上に喜んでくれたのは素直に嬉しい。  
 見た目を誉められるのだって勿論嬉しい。  
 これだけ喜んでもらえるのなら少しくらいサービスして請われるままにポーズを決めてカメラに納めさせてやっても良いとは思う、だが。   
 一体どれだけ撮影会をしていたのだろうか。シャッターも無いくせに「カシャッ」と鳴る電子音をもう100回以上は聞いた気はする。アーデンは見慣れぬレイヴスの姿を堪能出来て楽しいかもしれないがレイヴスに取っては見慣れぬ布を纏っただけのいつも通りの自分の体だ。最初こそアーデンの喜びように付き合ってやろうと思っていたがここまで長いことただ眺めて楽しむだけのマネキンにさせられるとは思ってもいなかった。 
「……つかれた。もう寝る」 
黙っていたらいつまで経っても終わらなさそうな撮影会に飽きて踵を返すと、漸くレイヴスの不機嫌に気付いたらしいアーデンが慌てて背中に飛び付いてきた。ぐるりと長い腕がレイヴスの腹部に絡み付いてすっぽりと腕の中に納められてしまう。  
「ごめん、あんまりにも君がえっちだったから」  
「もう飽きた。疲れた」  
「うん、ごめんね、本当にごめん。ねぇ、こっち向いて」  
「いやだ」  
 こめかみに耳朶に口付けを落としながら必死に許しを請う甘えた声に少しばかり溜飲が下がる。けどどれだけ放って置かれたと思っているのだ。こんな卑猥な服を着てくれと頼まれたらその後を期待してしまうのは当然の筈だし、それも込みで了承したからこそレイヴスは着たと言うのに。  
「ごめんってば。想像よりも遥かに可愛くてつい興奮しちゃったんだ」  
 ぐ、と尻に押し付けられるのは布越しにもわかるほどに固くなったもの。それと同時に熱い掌が内腿を、脇腹を辿りじんわりと体温が染み込んで行く。けれどすぐに許してやるのは癪で知らぬ振りをする。もはや足はその場から動こうとはしなかったが。  
「ね、機嫌直してよ」  
 内腿を撫でる手も、脇腹を撫でる手も際どい所をなぞりながらも肝心な所までは触れずにただアーデンの熱を伝える。それがもどかしくて、けれどやっぱりあっさりと許してしまうのは嫌で押し黙っているとするりと脇から胸へと滑るアーデンの掌。  
「君の好きなこと、何でもしてあげるからさ」  
 服の下で大きな掌がやわやわといやらしい手付きで乳房を揉んで知らず喉が鳴った。重量感のある胸を指の合間からこぼれる程に揉みながら指先がその頂点をかりかりと引っ掻き思わず肩がすくむ。  
「ここ、いっぱいしゃぶってあげようね。赤ちゃんみたいにちゅぱちゅぱ吸われるの、好きでしょ」  
 耳朶に唇を押し付けるようにして注ぎ込まれるアーデンの声に、そこから思い出す快感に肌が粟立つ。指先はすっかり固くなってしまったそこを引っ掻くだけでは飽きたらずたまにきゅっと強く摘まんだり捏ね回したりと休む間もなく動いてはレイヴスの身体に熱を灯して行く。  
「それとも……あれ、君、下着つけてなかったの?…ふふ、ごめんね気付いてあげられなくて」  
 つい擦り寄せた内腿に挟み込まれた掌が強引に足の間を撫で上げて濡れた場所を辿る。固く尖った場所から蜜を溢れさせるヒダの間までぬるりと擦られて思わずアーデンの腕にすがる。  
「ぁっ、……」  
「ここ舐められるのも好きだよね。じゅるじゅる音立てながらしゃぶるとすぐイっちゃうよね」  
 ほんの爪先で露出した包皮の内側をくるくると撫でられながら耳朶に唾液を絡ませてしゃぶられるともう駄目だった。実際にされた時の快感を思い出して勝手に身体が熱くなって膝が震える。もはやすっかり自分の足だけでは体を支えきれず、背中のアーデンに体重を支えてもらっている有り様だった。  
「その後はちゃんとこっちも中まで舐めてあげるからね。君の美味しいジュース、全部残さずに飲んであげる。こんなにびしゃびしゃにしちゃって」  
「ぁっ、あ、だめ、やだ、っもっと奥……」  
 突起を思う存分捏ねた指先がひだの合間を辿りその奥で蜜を溢れさせる場所へとつぷりと埋め込まれる。アーデンの男らしく骨張った間接が入り口を引っ掻けるようにしてゆるゆると抜き差しされるとそれだけで爪先から頭の天辺まで気持ち良さが走り抜ける。ずくずくとそのもっと奥が痛い程に疼いて思わず押し付けられたアーデンのものに擦り付けるように尻を揺らす。「おちんちんの方が良い?でもさあ、そろそろこっちも疼いているんじゃないの?」  
 あっさりと抜かれた指に思わずぁ、と名残惜しげな声が出てしまい唇を噛む。すっかりレイヴスの体液にまみれた指先は更に後ろへと滑ると本来は排泄の為の場所をぬるぬると撫でる。
「この前の玩具、気持ち良かったでしょ?今日はもうちょっと太いのにしてさ……こっちに玩具入れたままおまんこにおちんちん入れたら気持ち良さそうだと思わない?」  
「ひ、……っあ、ぁ、っっ」  
 足首まで垂れ落ちる程に溢れた体液によってすんなりと指先が固く絞られた入り口から奥へと潜り込む。これよりももう少し大きな球体が連なった玩具が奥深くまで突き刺さりながら熱く熟れて疼く場所をアーデンの熱が擦り上げる所を想像しただけでもう耐えられなかった。突き抜けるような快感に身体が意に反してがくがくと跳ねる。気持ち良い、それだけしか考えられ無くてぎゅうとアーデンの腕にしがみつく。  
「ふふ、想像だけでイっちゃったの?えっちだね」  
 快感の波が収まるまでレイヴスの体を抱き締めていたアーデンは、しかしやがて落ち着く頃になると耳朶にリップノイズ一つ落としてするりと離れてしまった。思わずその手を引き留めようと掴んでアーデンを見上げると笑顔を浮かべながらも両目に獰猛な色を宿した雄の顔。  
「やっとこっち見てくれた。さて、どうして欲しい?」  
 足元のおぼつかないレイヴスの背を支えながらも先程までの強引さは無い。今にも飛びかかりそうな捕食者の目をしている癖にあくまでレイヴスの意思を尊重しているのだという態度でいようとする。今更レイヴスが拒むとは微塵にも思っていない態度に腹立たしさは感じるが、レイヴスにも余計な駆け引きをする余裕は、無い。  
「ぜんぶ。ぜんぶ、舐めて。ぜんぶ、して。いっぱい気持ち良くして」  
 アーデンの首に腕を回して抱き寄せる。はやく、はやく、急かす気持ちごと身体をぎゅうぎゅうと押し付けて全身で訴える。  
 一瞬、きょとんと邪気の無い顔で呆けたアーデンは、だがその直後にニタリと口角を吊り上げた。  
「仰せのままに、お姫様」 

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