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空箱

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いつもの

たまにしか無い土方の非番の日の前日にはいつもの居酒屋で待ち合わせ。
幾ら恋人とは言っても習慣というのは抜けないもので、どつき漫才に近い口喧嘩を交しながら酒を呑み。
もはやこれが二人のコミュニケーションだと判りきっている店主は騒々しい常連客を時折宥める程度で物静かに美味いツマミを作る。
美味いツマミに酒はまた進み、喧嘩にもならない程に呂律が回らなくなって来た頃合にようやく店を出て、二人で肩を貸し合い足を縺れさせて土方の私宅へ。
普段屯所に寝泊りしている所為で滅多に帰らない家はひんやりと冷え切っていて、だけど酒で火照った身体には丁度いい。
清潔なシーツの上に二人で雪崩れ込みほっと一息吐く。
「うあー…気持ちいー……」
「お前、ベッドの上で吐いたら全裸で外ほっぽり出すからな」
「今の季節、青姦は寒くねぇ?」
他愛無い軽口。酒に浸りきった脳はそれだけでも幸福感に満たされる。
シーツの波間に突っ伏していた顔を上げて土方の方へと目をやれば、酔いの所為か誰にも気兼ねする事のない空間の所為か、いつもきっちりと着込んだ隊服とは違う黒の着流しが肌蹴てほんのり赤く色付いた素肌が食べてくれと言わんばかりに其処にあって。
恋人と二人、ベッドの上。
此処で食べなきゃ男が廃るとばかりに仰向けに寝転がった土方の上へと圧し掛かれば酒で濡れた瞳が挑発的に笑みを浮かべた。
「あんだけ飲んでおいて勃つのかよ」
「多串君が勃たせてくれるんでしょ、これから。」
ほら、と投げ出された土方の手を取りまだ萎えた自分の股間へと触れさせればするりと布越しに形をなぞられた。
たったそれだけで腰にじん、と痺れるような感触が広がって行く。
「多串君だってやる気満々じゃん。」
ニィ、と釣り上げられた唇に吸い寄せられるように唇を重ねる。
最初は啄ばむように触れるだけ、それから次第に深く、舌を絡め合わせて唾液の音を立てて。
其の間にも土方の手は布越しに銀時の熱を撫で、時にはくすぐって煽って行く。
負け時と銀時も肌蹴た胸元から手を差し入れて熱くなった肌を弄って行く。
滑らかな皮膚の下に張り詰めた確かな筋肉の感触。無駄な脂肪の一切無い身体は骨と筋肉ばかりで硬く、だがその手触りが何よりも美味しそうに映る。
ふと、掌に掠った感触を指で捏ねてやれば重ねた唇からくぐもった吐息が漏れた。
んぅ、と喉を詰まらせながら、それでも舌を絡める事を止め無い。
流れ込む唾液を飲み込み切れずに口の端から溢れさせて喉元まで伝うのを追って肌の上を舌でなぞれば擽ったさそうに震えた肩。
「多串君って敏感だよねー」
「そういうお前だって硬くなって来てんじゃねーか。」
そう言って唇を舐める土方は隊服を着てる時とは比べ物にならないくらいに、エロい。
「なんか色情狂みたい、多串君」
「てめーに言われたかねーよ、このケダモノ。」
ぐ、と強く股間を握られて思わず銀時からぅ、と小さな声が落ちた。
既に熱を持ち始めた銀時をぐにぐにと遠慮無しに揉み込む土方は楽しげに笑いながら銀時の首筋へと空いている片腕を回す。
「狂うくらいにイかせてみろよ。」
銀時、と。
滅多に呼ばれぬ名前を赤く濡れた唇が紡ぐのにたまらずその唇を貪った。

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