昼休みを終えた午後の生徒会室は騒がしかった生徒達が皆教室の中に押し込められている為に酷く静かだ。そんな中で授業を受ける気のないアーサーは一人、重 厚な木製のデスクに向かい生徒会の事務作業に勤しむ。穏やかな午後の風が通り抜ける中で乾いた紙の上にペンを走らせる静かな風景だが時折、ぴちゃりと混ざ る卑猥な水音。入口から隠れるようにしてデスクの足元にうずくまるアントーニョがアーサーのペニスを舐めしゃぶる密かな息遣いが静寂に波紋を生み出す。す ぼめられた唇が緩慢な動きでもって口腔の浅い場所で幹を生温く擦り上げて付け根へと戻る機械的な反復作業を繰り返すだけのやる気の無さで、伝い落ちる唾液 とも先走りともつかない体液を舐め啜る時にだけ濡れた舌先が覗いた。
「おら、そんなんじゃ何時まで経ってもイけねーよ」
温く腰元に快感を蟠らせるばかりでそれ以上の事をしない怠惰な唇に焦れてアントーニョの剥き出しなばかりかすっかり熱を集めて固く勃ちあがった股間を革靴 の爪先で蹴り飛ばしてやればくぐもった悲鳴が足元に蟠った。書類をめくる手を止めて視線を落とすとかちりと深い色の碧眼と重なる。
「なんか文句あんのかよ」
睨むようなその視線を咎めるように体重を乗せて強く股間を踏み付ければングゥと押し潰された声を漏らして面白いようにびくびくとアントーニョの肩が跳ね る。アーサーの膝の上に乗せられた両の掌が固く拳を作り、ずるりと咥内から中途半端に頭を擡げたペニスが抜け落ちた。なんとか逃げようと後ろ退ったところ で狭いデスクの中では逃げ場など無い。
「誰が止めて言いっつったよ。」
奥に逃げようとする前髪を引っつかんで強引に引き寄せれば指に絡み付く短い巻き毛が数本抜ける感触。ぐ、と呻きながらも眉根を寄せて耐えるアントーニョにアーサーの体温が上がった。
「ずっとそうしていたいんなら別に俺は構わねーけど」
そうして髪を離してやれば、くそ、と小さく毒吐く声の後に再び先端に触れる柔らかな唇。さも不本意と言わんばかりの険呑な眼差しでアーサーを射ながらもふ とした瞬間に漏れる吐息は甘く熱を含んで震えた。再開された愛撫に身を任せながらふと、アーサーは思い出したようにデスクの上に無造作に置かれたリモコン に指先を伸ばす。今はオフにあるスイッチを気まぐれに動かしてやれば足元でびくんとアントーニョの身体が跳ねた。
「ゃっ…ぁああっ、ぁっあっ」
微かに聞こえるモーター音がぐずぐずに蕩けきった粘膜を揺さ振り痺れるような快感を生み出しているのだろう、強張らせた肩を不規則に揺らしながら喘ぐ声が 涙に掠れた。総てを吐き出したくても先走りをだらだらと垂れ流して震えるアントーニョのペニスの根本は固く紐で縛りつけられてもう既に大分時間が経ってい る。その上、後孔を穿つ玩具が萎える事を許さずにアーサーの指先一つで振動する為に休む間もない。為す術無くただ拷問のように身体中を支配する快感に身を 委ねるしかないアントーニョの姿にアーサーの唇が歪んだ弧を描く。顔を合わせれば喧嘩するだけしかなかった相手が、アーサーの指先一つに翻弄され喘ぐしか ない優越感。制服の上はきっちりと着込んだまま下肢だけを露にしてはしたなく勃起したペニスを震わせる淫らな姿は心に潜む支配欲を擽る。
「ったく、しゃーねぇなぁ」
優しさを装ったアーサーの声は思いのほか甘く響いた。アントーニョを苛む玩具のスイッチを切ってやれば目に見えてほっとしたように身体から力を抜き落として膝の上に伏した頭をそっと撫でる。
「紐、外してやるから自分でヌけよ。今のお前じゃ使いモンになんねー」
「…っ…、っざけんなボケこんなんにしたんは誰やねん」
荒い呼吸に肩を上下させながら吐き捨てられた声は地を這うように低い。睨み上げる深い緑色の眼から溢れた涙が頬を静かに伝い落ちる。
「だから楽にさせてやるって言ってんだろ。別に嫌ならいいぜ、他の奴呼ぶから」
その言葉の意味を正確に理解したアントーニョの唇が開き、何事かを紡ごうとしては結局声になる前に噛み締められる。また一滴涙が頬を伝い、瞼がぎゅっと耐えるように伏せられた。やがて怖ず怖ずと伸ばされた手が下肢へと辿り着く前に内股の柔らかな肉を爪先で小突く。
「そこじゃ見えねーだろ、此処に来い」
こん、と軽くデスクの表面を指の間接でノックしてやれば絶望の色で見開かれた瞳がアーサーを見上げ、そして諦めたようにゆっくりと伏せられた。逆らえば他 の、アントーニョの大切な彼がアーサーの手に掛かるかもしれない事を理解しきった身体は心の反発を唇を噛み締める事でやり過ごし、アーサーの意のままに従 うしかない。捨てきれぬプライドが悲鳴を上げていても、涙を飲んでただ静かに耐える姿はアーサーの心に言いようの無い喜びを齎す。デスクの下から抜け出せ るだけのスペースを開けたアーサーの膝に熱く湿った掌を置き重い腰を浮かせる動作は酷く鈍い。今は振動していないとは言え確かな存在感を主張する玩具が少 しの動きでも中を擦り熱を生み出すのだろう、くぅ、と甘えるような鳴き声が食いしばった歯の間から漏れ聞こえる。随分と時間をかけてデスクの上へと漸く腰 を乗せたアントーニョの両足も押し上げてしまえば縛られて色を変えて震えるペニスも、入り切らない玩具をくわえこんだ後孔もアーサーの眼前に晒される。玩 具は傘の広い先端から中太りの幹までが赤く色付いた入口の皴をみっちりと押し広げて粘膜に埋まり、スイッチがある根本の部分だけが突き出ているために真っ 直ぐに座ることを許さず、腰を突き出すように後ろ手で体重を支える姿はまるで金のために男を誘う娼婦のようだ。アーサーを見ようともせずに俯く顔だけが唯 一残された反抗なのだろう。汗に濡れた肌が午後の優しい陽射しをぬらりと跳ね返して荒い呼吸にか、それとも体内で駆け巡る快感にか腹から内股までの筋肉が 小刻みに震える様はこの上なくアーサーの目を楽しませた。恥じ入るように擦り合わされた膝頭を割開くと突き出た玩具が静かに上下してそれに合わせたように すっかりと濡れそぼったペニスが震える。
「ほら、とっとと済ましちまえよ。…早くしねぇと飽きるぞ」
その姿勢のまま動く気配の無いアントーニョを急かすように突き出た玩具を押し込みがてらスイッチを入れてやれば面白い程に身体が跳ねて背が綺麗な弧を描く。
「ぁっ…ぁあああああ――っっっ」
悲鳴とも咆哮とも着かぬ声を上げがくがくと痙攣するアントーニョにアーサーの手が思わず止まる。
「あぁっ、あっ…嫌、やぁっっ…気持ちぇえっっ」
くずおれた背をデスクの上でびくびくと跳ねさせながら喘ぐアントーニョの双眸はすっかりと焦点を失い襲い来る快感に歪んでいる。抜け落ちそうになる玩具を再び奥へと押し込んでやれば糸の縺れたマリオネットのように弓なりにしなる身体。
「っひぁあああっ…んぁっも、ぁかんっ止まらへんっ、助け、…っ」
「はっ、ケツで空イきしてんのかよ。どうしようもねぇ淫乱だな」
嘲笑うアーサーの声すらも聞こえない様子で快感に呑まれて行くアントーニョの姿に堪えようの無い笑みが浮かぶ。普段太陽の下で健全な青少年を気取るそれと は違う剥き出しの欲望に身体全体が熱く燃え上がった。知らず手がアントーニョを犯す玩具を強引に引き抜き縋り付いた粘膜が戻らぬ内にたぎったペニスを押し 込む。もはや言葉にすらならない声を上げて玩具とは違う熱さにうち震える粘膜を揺さぶり。一度、絡み付く粘膜の心地良さを知ってしまったら後はもう止まれ ない。どちらかの精魂尽き果てるまで貪り尽くすだけだった。
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