レイヴスに手を取られた、と思った瞬間には脇の下に挟まれ容赦なく骨が折られる。
「いったあああ」
「痛いのか」
「痛いに決まってるでしょ、俺を何だと思ってるの」
「何なのかわからない」
「ええ……」
「分類的にはなんなんだ。人か?シガイか?それ以外の生物か?」
「神に愛されし唯一の人間だよ」
「眠れなくなるほどに愛されているものな」
「五月蠅いよ」
「誰かに代わってもらいたいと思うか?」
「やだよ。神様の愛は俺一人占めにするんだから」
「だからお前は嫌いなんだ」
「ありがとう、俺も愛してるよ」
「神様よりも?」
「ストーカーを愛する馬鹿が何処にいる?」
「お前の場合、それが一番幸せになれる道なんじゃないか?」
「やる事は変わらないけれどね」
「愛の為に死ぬ?」
「だから愛してないって言ってるじゃん」
「俺の事は愛しているのに?」
「君を愛しても世界は変わらないからね」
「やっぱりお前は嫌いだ」
「それでも俺は君を愛してるよ」
「ストーカーはお断りだ」
「神から唯一愛された男の愛だよ。人間なら恭しく受け取ってよ」
「俺の神を奪ったのはお前だ」
「じゃあ俺が君の唯一の神様だね。神様に愛されて俺と同じだ」
「嬉しくない」
「ええ、お友達からでいいから仲良くしてよ。ずっと独りぼっちだったんだから」
「友達が居た事無いから無理だ」
「嘘でしょ君何年生きてるの!?大丈夫?」
「お前の100分の一くらいしか生きて無いから大丈夫だまだまだ人生長い」
「そうやって皆すぐ死んじゃうんだよ」
「俺の分までお前が生きろ……」
「良い事言った風にするんじゃありません」
「じゃあ死ね……」
「素直な願望も俺が傷つくから駄目」
「我儘言うなどうしろというんだ死ね」
「もうちょっと我慢して、あと60年くらい死ねって言うの我慢して」
「そんなに長い事お前の事記憶に残しておきたくない……」
「君も十分我儘じゃない」
「王子様だからな」
「男に抱かれて喜ぶ王子様」
「男を抱いて喜ぶ御長寿よりマシだろう」
「たかだか2000年だよまだ若いよ」
「神目線で語るな」
「だって俺君の為の神様だし」
「そのネタに戻るのか」
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