「きみは」
「次に目を開けた時」
「人の為の神凪になるんだよ」
「妹の仇を討って世界を救うんだよ」
「君は仇に憎しみ以外の感情は持っていない」
「ああ、……同情くらいはしてくれてもいいよ」
「【俺】とは今日でさようならだ」
「俺と似た人に会ってもついて行っちゃダメだよ」
「俺はもうそこには居ないからね」
「だから」
「……」
「その、……」
「俺を、此処に置いていっていいかな」
「いや違うな、ごめん、置いていくね」
「別に捨ててくれて構わないから」
そう言って無責任に遺されたモノは、明るい日差しの下で今なおレイヴスの心の片隅を黒く濁らせている。
[1回]
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