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空箱

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この後、正式にお付き合いが始まった

本日錬金術の授業で作る薬は半径1m以内に居るの心が読めるようになる薬。効果は五分から十分。必ず心を読まれても構わないと思える相手とペアを組み、二人で作った薬を実際に使用してその使用感や改良点等を見付けてレポートを提出すること。
レオナとジャミルは所謂セフレだ。相性が良い、ただそれだけの理由で繋がっているだけのドライな関係だ。それだけの理由しか無いと見えるように振る舞って来た。
だから絶対にペアになりたくないとジャミルが逃げ出す前に素早くレオナに捕まってしまい、助けを求めようにも誰も視線すら合わせてくれなかった。
思わず顔をしかめるジャミルの隣で、珍しく意欲的に授業に参加したレオナが楽しげに笑っていた。
薬の作成はいとも簡単に終わった。
だが問題はこの後だ。本日最後の授業だった為にそのままずるずるとサバナクローの寮長部屋に連れ込まれ、ベッドに寝そべるレオナの上に向かい合って抱えられる。
いっぺんテメェの腹ん中を見てやりたかったんだよと笑うレオナが恨めしい。大変不本意ではあるが、やらずに評価を下げるような真似も出来ない。覚悟を決めて二人で同時に薬を飲む。
「…………」
同時に飲み干したのを確認しながら何か変化はあるかと観察するようにレオナを見る。ジャミルの心も知らずにいつになく楽しげなレオナが恨めしい。恨めしいが腹立つくらいに今日も顔が良い。
ぶふぉ、と目の前でレオナが吹き出したのを見て、そういえば今ジャミルはレオナに心まで読まれてしまうのだと思い出した。変わりにジャミルもレオナの心が読める筈なのだが、レオナがくつくつと笑う声以外は何も聞こえない。失敗したのだろうか?あんな簡単な薬を?と眉を潜めるとぽんぽんと大きな掌に気安く頭を撫でられる。こっちはとっとと終わらせてしまいたいのだからそういう心が気持ち良くなってしまう事はしないで欲しい。
「ふはっ……お前、」
ニヤニヤ笑うレオナに思考が全てバレていることを知り顔に血が集まってくる。違うんだ、いや違わないけどふざけんな。
「失敗はしてねえよ。今は薬の効果を抑制する魔法を使ってるからお前には読めないだけだ」
はあ?なんだそれ。顔が良ければ何しても許されると思ってるのか二人でレポートを書くのだからそれじゃあ意味が無いだろうにおい待てそれ以上笑うなそんなアンタの全開の笑顔なんて初めて見るから心臓に悪いだろああこれも聞こえてるのか本当に嫌だ帰りたい。
せめてもとフードを深く被って顔を隠すと同時に腕を引かれてぐるりと身体が入れ替わり、レオナの体重に押し潰される。
「お望み通り抑制を解いてやるがな。……ちゃんと受け止めろよ?」
まるで聞けば逃げようとするのがわかっているとでも言うような、抱き合うと言うよりは押さえ込まれている状態でようやく聞こえるようになったレオナの心の声。
「…………で、俺の心の声の感想は?」
「恥ずかし過ぎて死ぬ……!」
「俺がどれだけお前を可愛いと思って大事にしてるか思い知っただろ」
「俺がどれだけ貴方に弱いかわかってるでしょうに殺す気ですか!」

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