忍者ブログ

空箱

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

触手西

「な、なんやねんなコレぇ!!?」
アントーニョの部屋に突如として現れたソレは軟体動物のような妙な滑りを帯びて数え切れぬ程に伸びた触手の集合体のような形で部屋を埋め尽くして。うねうねと規則性も無く蠢く触手たちは太さも長さも様々なようで時折とろりと粘液を滴らせて落ちる。
「う、うぇえええ気持ち悪ぅ…」
宛ても無く彷徨う触手の一本がベッドの上に居たアントーニョの爪先へと触れて思わず身を竦める。逃げ出そうにも床の上は触手が埋め尽くしているし、それを無視して歩く勇気がアントーニョには、無い。
だがそうして身を強張らせている合間にも奔放に動き回る触手の一本が今度は頬へとべたりと触れた。それを機に宛ても無く彷徨うだけの触手が皆、ごつごつとした肉腫のような突起を幾つもつけて膨らんだ先端を向けて一斉にアントーニョへと伸びて来る。
「ひ、や、嫌やて離れぇや!!」
必死に抗おうと身を捩り殴りつけ引っぺがしても量には叶わず次第に触手に巻きつかれてゆく身体。ぬるりとした人肌の温かさが身体のそこら中を這う不快感に全身を粟立たせて震え上がった。気持ち悪い、だが不快とも言い切れない、恐怖。一度巻きつかれてしまえば離れぬようにぎゅっと固くなる触手が腕を足をバラバラに拘束されてふわりとベッドから背が浮いた。身を支えるのはいまや体を拘束する触手だけだ。
「…ちょ、もう、ホンマ離してやぁ…ッんぐぅ!?」
思わず漏れる情け無い声上げた唇に他の触手とは先端の形が違う触手が一本、ずるりと入り込む。イソギンチャクのように細く裂き割れた先端が舌に絡みつき中心に開いた孔からごぷりと放たれた粘液が口内を満たす。
「ンッ…んんんー!!!!」
逃れようにも舌を深く捕らえて奥深くまでもぐりこんだ触手は離れ無い。口内に満ちる粘液に苦しさが増すも仰向けになっていれば喉へと自然と流れ、そうして飲み込んでしまった。其の間にも身体を拘束する触手は先端についた肉腫を擦り付けるようにしながら全身の上をぬめりで満たして行く。指先の合間を通って皮膚の薄い太腿の内側を擽り両足の合間をずるりと舐め上げるようにして這う。ぞくりと、不穏な感覚が全身を突き抜ける。
「んぐ…ッん、…んんぅ…ッ」
舌先に絡みつく触手が繊細な動きで持って舌の根を擽り時折孔で引き込むように吸い付かれ甘さを含んだ吐息が鼻から漏れた。なんだか思考がぼーっとしてくる。熱が出た時のように視界が滲んで、熱い。丹念に下肢に粘液を擦り付けていた触手たちが既に半分勃ち上がりはじめていたペニスに絡みつき絶妙な力加減で擦り立てるのに思わず腰が揺れそうになる。
「ぷ、は…ッゃ、なんなん、気持ちえぇ…ッ」
漸く、唇から触手が抜け落ちるととろりと粘液が糸を引いた。思わず追いかけるように熱っぽい視線を向けてしまい、アントーニョは力無く頭を振る。そうしたところで生まれてしまった快感の灯火は打ち消せる物でも無かったが。
肌の上を丁度よい突起が幾つもついた触手が滑りを帯びて無数に這いまわる、心地良さ。すっかり勃ち上がったペニスに絡みつく触手は時折鈴口に細い触手を伸ばして入り口を細やかに擽って行く。
「っふぁ、…ッあ、…ぁかん、て…ッも…ッんぁあっ」
相手が未知の物だとか、そもそも何故こんな事になったのだとか。まともな思考が快感に塗り潰されて行く。全身を侵食する熱にびくびくと身体を震わせながら先を強請るように腰を揺らしてしまう。外側ばかりでなく疼く奥を、まだ触れられていない身体の内側をぐちゃぐちゃに掻き混ぜて欲しいと人でもない相手に叫びそうになる。
それを察したかのようにゆらりと触手の海から一本、一層太い触手が頭を擡げる。小さな子供の腕ほどもありそうなそれは無数の小指の先ほどの肉腫を貼り付けて見るからに凶悪だ。それが、ゆっくりと下肢へと近付いて行く。
「っひ、や、そんな…ッぁ、おっきい…ッ無理やぁ…ッぁ」
未だかつて無い太さに走る恐怖、逃れようともがいてみても生み出される摩擦に快感が増すばかりで碌な抵抗にもならない。言葉の通じる気配も無い触手はペニスの先端から裏筋を辿るように降りて袋を通り固く膨れた筋をなぞりそうして入り口へと辿り付く。孔を覆ってまだなお余る太さにアントーニョの身体が強張った。
「――っぁああああああああっっっ!」
ゆっくりと丸みを帯びた先端が入り口を広げて行き、そうしてずん、と唐突に奥深くまで一気に突き上げる。身体の中心に太い杭を打ち込まれたような痛みにびくんとアントーニョの背が大きく撓り見開かれた双眸からは大粒の涙が零れ落ちた。だがそれと同時、力任せに凶悪な太さでもって内側を擦り上げられて突き抜ける快感に押し出されるように震えたペニスが盛大に白濁を吐き出す。
「…ッゃ、あッ…ぁあっあ、あんッ…ッ」
余韻に浸る間も痛みに慣れる間も与えられないままゆっくりと律動を始める触手にもはやアントーニョの唇からは意味をなさぬ声を上げるしかなかった。下肢全体を痺れさせるような鈍い痛みと共に力任せに押し開かれた肉壁を幾つもの肉腫がごりごりと擦り上げる快感が無い混ぜになってたまらない。
「あっあ、んぁっ…あっ、あ…ッぁん…ッ」
ずん、ずん、と一突きごとに内臓が押し上げられるような圧迫感、間断なく走る目も眩む程の快感に再び飛び散る白濁。達したことにも気付け無い程に後から後から快感が押し寄せて来る。もはやアントーニョにはまともな理性など残っておらず、ただ只管快感に支配されるしかなかった。

拍手[0回]

PR

逆転伊ハプス

北と南とに国が分断されてから早幾年。かつて同国であった事を忘れたかのように各々で力をつけ大国の座を得んばかりに育った二つの国は、強大になったがばかりに統一を望みながら同一に混じる事を嫌悪した。
つまり、互いを平たく同等にして一つに纏まるよりも相手を己が傘下に下したいと。
話 し合いは平行線に終わり、だからとて攻め入る程には両国間の仲は悪く無い。永い時を経て漸く辿り付いた結論は同盟という名の結婚だった。国としての意地を 捨てられず、だが同一に戻る夢も忘れられずに居た二国の結末。同じ文化、同じ人種、同じ言語を話す兄弟でありながら同盟国という他国で有り続ける摩擦を感 じずには居られ無いが今は他に手立ても無い。そうして結ばれたロヴィーノのとフェリシアーノは更なる大国へと互いの力を高めることとなった。



そうして。
強国となった二人の下に新たな属国が増えた。
一人は白い肌に黒子のある、育ちの良さそうな子供。
もう一人は日に焼けた肌に変わった訛りで喋る暢気そうな子供。
ぽ こぽこと未だ悔しさに湯気を立たせて二人を睨む白い肌の子供を褐色の肌の子供がのんびりと宥めている。白い肌の子供とは違い、褐色の肌の子供は全面降伏を したというわけでは無いようだが新たな環境を受け入れようとしているのか扱い易そうに見えた。ただ、それだけの理由だった。
「俺、こっち。そっちのガキは小うるさそうで嫌だ。」
「ヴェー、それじゃあ兄ちゃんがアンちゃんで俺がロディちゃんだねー」
そんな極々簡単な会話の遣り取りでロヴィーノの元にアントーニョが、フェリシアーノの元にローデリヒが共に暮らす事が決まり、各々の家へと引き上げて行ったのだった。



「で、お前、名前は?」
「アントーニョやで。…なん、子分になる奴の名前も知らんかったん?」
ロヴィーノの家のリビング。だるだると裾を引き摺るような袖の長い服からとりあえずメイド服のような物を着せてみた相手に初めて名前を問えば帰って来るのは呆れたような声。引き攣りそうになった短気なこめかみを宥めてロヴィーノは言葉を重ねる。
「興味ねーんだよ。…で、お前、何が出来るんだ?」
「興味無いて酷いわぁ、それならとっととほっぽりだしてぇや。俺かてこないなトコ居りたくないし。」
のんびりと紡がれる言葉の中に潜んだ密やかな敵愾心。ふわりとスカートを空気で膨らませながらその場に座り込んだアントーニョが拗ねたように頬を膨らませる。その幼子らしい姿の愛らしさに少しだけ、ロヴィーノの心が揺れた。
「うるせーよ、負けたからには大人しく従いやがれ。何出来るのか言わねぇと変態趣味の奴に売りつけるぞコノヤロー」
「わ、そんなん嫌や!ええと、何が出来るんやろ…?斧は使えるで?あとシエスタとかフラメンコとか…」
「あー…いい、もういい、わかった」
慌てて見当違いな「出来る事」を数え上げ始めたアントーニョの頭をぐりぐりと強引に撫で付けると片腕に抱え上げる。小さな体温は想像よりもずっと軽く、ロヴィーノの腕にすっぽりと収まった。
「お前の部屋はとりあえず此処、キッチンは其処にあるから食事はお前が作れ。それから屋敷の掃除をする事。とりあえずはそれだけだ。わかったか」
最 初は驚いて暴れそうになったものの、意図を察すればすぐに柔らかなもみじの掌をロヴィーノの首へと絡ませたアントーニョを連れて屋敷をぐるっと一週回って 案内をする。メイドの格好までさせて召使として働かせようとしている属国に対する扱いじゃないという事はロヴィーノの心にも僅か過ぎったが、それよりも腕 の中の小さな温もりが思いのほか馴染んだ。
「…掃除と、食事の支度だけでええの?なんや、案外優しいんやなぁ自分。言い方がちょぉっとつっけんどんやけど。」
間近の翡翠がまじまじとロヴィーノを凝視して、そうして笑みに崩れる。これからよろしゅうなぁ、なんて暢気としか言いようのない挨拶までされてロヴィーノの心が浮わついた。


最初はただもらえるからもらっておくくらいの軽い気持ちだったが、案外、良い物をもらったのかもしれない。

拍手[0回]

にょた悪友の女子更衣室トーク

「ちょ…ッギル待って、ちょっと待って」
体育の時間の前、女子更衣室内。不意に悲鳴のようにかけられた声にシャツをベストごと脱ぐという荒業をこなしていたギルベル子はびくりと大仰に肩を震わせて背後を振り返った。
「な、なんだよいきなり…」
其処には信じられない物でも見たかのように目を見開いて固まるフランソワと二人の様子に大きな目をぱちくりと瞬かせているアンヘラの姿。
「ね、ねぇ、まさかとは思うけれど、その…」
そう言って恐る恐る伸ばされたフランソワの掌がぺたりとギルベル子の辛うじて膨らんでいるのが分かる程度の乳房に触れる。
「っな、何すんだよいきなり!?」
「やっぱりブラジャーつけてない!!何で!?何でつけてないの!?」
突然のことに思わず乳房を隠すように両腕で自分を抱き締めて驚くギルベル子よりもフランソワの勢いの方が強すぎて思わずギルベル子の腰が引けて一歩、後退る。
「いや、だってつける程もねーし…つけなくても困んねーし…」
「何言ってんの、駄目でしょ女の子なんだから!!」
「あ…でも、持ってねーし…」
「持って無い!?この歳で!?…ちょっと今度おねーさんと一緒に下着屋さん行こうか、ううん行くからね」
ごごごと不思議な効果音さえ聞こえてきそうな笑顔で迫るフランソワに圧されて何時しか壁際へと追いやられたギルベル子は訳の判らない威圧感に無言でかくかくとただ頷く事しか出来無い。生まれてこの方必要と思った事の無いブラジャーに対して何故こんなにもフランソワが熱くなるのかが分からない。あれは揺れる程に肉がある人がつける物じゃないのか。つーかフランソワ怖い。
「ちゅうか、なんでそんなおっぱいぺたんこなん?」
其処へのんびりとした声が割り込む声。蛇に睨まれた蛙のように怯えて固まるギルベル子の平べったい乳房にぺたりと触れる掌。
「っぎゃ…ちょ、なんだよお前等さわんな!!」
「えー、やって不思議やん、ギルベル子だけまっ平らで」
「うるせぇお前らがでかすぎるんだよ!!」
うっかり緩んでいた腕で胸をガードしなおしながら喚く。二人も着替えの途中だった為か腹の辺りまで寛げられたシャツの隙間からはくっきりと深い谷間が覗いている。華奢な身体つきをしている癖に其処ばかりは形良く肉が盛り上がったフランソワはまだいいとしても、ブラジャーからはみ出そうな程に溢れた肉が少し身動くだけでもたぷたぷと波打つアンヘラの胸はなんなんだ。海か。脂肪の海なのか。
「そんなん言われたかて…勝手に大きくなっただけやし…」
「うん、特別なことした訳でも無いしねぇ…?」
そう言って顔を見合わせている二人が憎い。胸が大きいからってちくしょう。
「あ、でも揉まれたら大きくなるて言うやん、自分彼氏居るんやから揉んでもらえばええやん」
名案を思いついたとばかりに瞳を輝かせるアンヘラに思わずギルベル子の視線が泳ぐ。確かに居る、むきむきのごつい年下の恋人が。居るのだが。
「…ま、まだそういうの…ねーし…」
もごもごと口篭もりながら、それでも虚勢を張り切れずに正直に零せばええええええ!?と盛大に驚愕の声が上がる。頼むからもう少しトーンを落としてくれ、忘れそうになるが此処は更衣室、三人以外にも勿論人は居て、先ほどから騒いでいるのが気になるのかちらちらとこちらを見ながら聞き耳を立てている。
「まだ、って…付き合い始めてからもう半年くらい経つよね!?」
「え、ほなちゅーは!?つーか一緒に暮らしてんねやろ!?何も手ぇ出してけぇへんの!?」
「や、だから、…まだ、…その、二人共初めて、だし・・・」
「初めてなん!?彼氏の方、めっちゃモテそうやん!初めて!?」
「そうだよむしろ慣れてそうじゃない、ドSっぽいじゃない!」
こういう時にテンションが上がってしまった二人は正直、ギルベル子の手に負えない。きゃいきゃいと楽しげに勝手なことを言っては盛り上がるのを尻目に思わずギルベル子は遠い目になってしまう。何でこんな話に。確かに弟に片想いをしてしまった時から相談に乗ってもらっていた。世間では認められない血の繋がりを否定せずに応援してくれた二人にはめでたく恋人になれるまでに随分とお世話になった。だけど頼むから公衆の面前でそんな話題で盛り上がらないで欲しい。弟を何だと思ってるんだコイツら。
「よし、分かった!ほなあたしが彼氏の代わりにギルのおっぱいおっきくしたるわ!」
思わず現実逃避しかけたギルベル子の耳に突然飛び込んだ衝撃発言に思わずぽかんと口が開いた。
だめだこいつらはやくなんとかしないと

拍手[0回]

ロマ西ほのぼの?

とんとんとんと軽やかなリズムを奏でて包丁が踊る。
張り詰めた薄いトマトの皮膚を撫でて下ろされる刃は狂い無く真っ直ぐにまな板にぶつかり小気味の良い音を立てる。
まるで機械のように綺麗な等間隔に分けられたトマトが鍋の中へと滑り落とされて行くのを横でぼんやりと眺めながらロヴィーノは口を開いた。
「よく、そんな器用に使えるよな」
ダンスでも踊るかのようにてきぱきとキッチンの中を動き回るアントーニョはロヴィーノを振り返って双眸を瞬かせた後に、ああ、と納得したように笑って包丁を振って見せた。
「これ?慣れやで、こんなもん。自分かて何度も使ってればその内できるようになるわ」
ふぅん、とおざなりな返事を返しながらもロヴィーノの視線は包丁の動きを追う。今度は皮を剥いだイカの身に斜めに刃を滑らせて切れ目を入れている。適当にやっているような素早さで、だが完全に分断される事も無く格子状の模様が白い肌に浮かんだ。
「それよりこんなん見てて楽しいん?座って待っときや」
「いや、いい。」
普段ならば言われなくてもかつての我家で主以上に寛いで待っていただろうが、今日はなんとなく興味が湧いたのだ。特にそれ以上の意味は無かった。アントーニョの鮮やかな料理の腕前は一緒に暮らしていた頃も何度か見た事があるが、此処まで間近で鑑賞するような事は無かった。
「そんならええねんけど。あ、サフラン取って、そこの赤いの。」
言われた通りに棚の中から見つけた小瓶を受け取る掌に垣間見える固く強張った皮膚。農作業、内職、それから武器を握って自然と分厚くなった皮膚は所々が浅く盛り上がって柔らかな皮膚の合間で存在を主張している。受け取るなりさっさと作業を再開する掌を追いかけた後、ロヴィーノは自分の掌へと視線を落とす。柔らかなく滑らかな白い皮膚に覆われた線の細い骨ばった掌。
「自分かて全然料理出来へんのとちゃうやん、ちゃんとやれば絶対巧くなると思うで?」
不意に続く会話に我に返ると少しだけ考えてから首を振る。
「俺はお前等みたいに刃物に慣れてねーんだよ」
は、と鼻で笑って見せる、いつもの軽口のような悪態。だがアントーニョの顔は一瞬、焼け焦げた炭でも食べたかのように歪んで、それから吐息で笑った。
「人を殺す刃物とコイツは全然ちゃうで。」
コイツ、とアントーニョの掌の中で揺れる包丁。料理を再開させながらもアントーニョの視線は何処か遠い。
「コイツでも人は殺せるやろうけど…精々数人がいいトコやな。それに簡単すぎてあかんわ。」
とんとんとん、軽やかなリズムが再びキッチンに響く。鍋で煮込まれたスープがいい香りを漂わせ始めた。食欲をそそる心地良い感覚。
「戦場で使うんは、刃物やけど刃物やないねん。殆ど鈍器やで、人間を斬るっちゅうんはすぐ刃ぁ毀れさすから」
相変わらず下手くそな説明を理解出来るように頭の中で組替えている内にも饒舌になったアントーニョの言葉は次から次へと紡がれて行く。ロヴィーノはただじっと手元へと視線を落とす横顔を見詰めた。
「それに、感触がちゃう。背中にびーんって来んねん。斬ると。ぞわってなる。」
そうして顔を上げたアントーニョの唇が細い三日月を描く。言っている言葉の意味は半分程しか理解出来なかったが思わずロヴィーノの肌が粟立つような笑顔。ひたりと向けられた深い緑の瞳が怖いと素直に思った。
「だから、ちゃうねん、これはロヴィでも簡単に使えるようになると思うで」
そう言って目を細めて笑うアントーニョはもう普段と変わらぬ姿だった。

拍手[0回]

ローマじーちゃん×幼女西

ぺたぺたと素足で歩いているのだろう、軽快な足音が近付いて来て勢い良く扉を押し開ける。
「聞いてやおっちゃん、生理来た!!」
「はぁ?」
息せき切らして駆け込んで来た少女の突然の報告に強大な帝国そのものである男は年甲斐も無く口をあんぐりと大きく開けてぽかんと少女を見詰めた。薄い布一枚を纏った少女の身体つきはまだ幼さが抜けきらない物の確かにそんな年頃かもしれない。
「そんな大口開けてると男前が台無しやで、ほらとっととベッド来てや」
言うなり落ち着き無く男の手を引く少女に導かれるがままにベッドに腰を下ろして改めて首を捻る。
「で、お前に生理が来たのと俺と何の関係があるんだよ?」
「何言うてんねん、ようやっとおっちゃんの子ども産めるようになったやんか」
腰を落ち着けて話を、というのとは違うらしい。膝の上へと乗りあがりいそいそと男を押し倒そうとする少女の言葉にふと思い出す。そう言えば随分前に好奇心旺盛なこの少女に冗談半分、揶揄半分でセックスの偉大さと快楽の深さをとくとくと語った気がする。期待していた恥じらいや嫌悪感を露程にも持たず、夏の草原の色をした瞳をきらきらと輝かせてそんなに凄い物なら今すぐしてみたいと妙なやる気を出されて逆に男を焦らされたものだ。
いかに好色を自負する男とて、片手で捻り潰せそうな程に小さな少女と事に及ぶのは気が引けたし、何より小さな身体では互いに快感を得る事は出来無いだろう。だからせめて大人の女に、つまりは子供が作れる身体になってからとなんとか宥めてその場は事なきを得たのだ。
「な、だから気持ちええこと教えて?」
膝の上に乗ってなお男よりも低い位置にある二つの瞳が曇りない澄んだ輝きを秘めて見上げる様はまだ青さを残しては居るが女として熟れようとしている。ぴたりと胸を合わせるほどに密着して初めて分かる淡い胸の膨らみも、簡単に両手に収まってしまいそうな小さな尻も、芽生え始めた性の香りを自然と纏わりつかせて男を誘おうとしている。
「お前…誘ったからには痛くたって途中で止めてなんかやんねーからな?」
「初めては痛いって、おねーさま方が言うてたもん、でも段々気持ち良くなるって」
だから、と強請るように首を傾けて男を伺う少女が本当にわかってて言っているのかはわからないが此処まで「女」に誘われて断る等、野暮もいい所だ。ふ、と男は吐息で笑うと片腕一本で少女を抱き上げると優しくシーツの上へと押し倒した。
「ガキが出来るまで止めてやらねーから覚悟しろよ?」








「おっちゃんの嘘吐き、アホ、痛くて死んでまうわ、動かれへんもう」
男としては今まで無いくらいに気を使い優しくしてやったつもりだったがやはりこの小さな身体では余り意味を為さなかったらしい。所々赤く染まったシーツに包まりぶつぶつと恨み言を連ねる少女の対応に困り男は溜息を吐いた。
だが悪いのは自分ばかりでは無いと男は思う。まだ何も知らない硬い身体は、言い換えてしまえば今日初めて男に征服された。誰にも手をつけられていないまっさらな身体に男を植え付けるという優越感。最初は子供がじゃれ合うようなくすぐったげな笑い声を上げるだけだったのが何時しか潜めた甘い吐息へと変わり、不安と期待の入り混じる眼差しが蕩けて男を見詰めるように育て上げる快感。熟れきった女とは違う初々しい姿が思わず男を滾らせた。
「なんかまだ股ン間に挟まっとるみたいや…ぅー…」
恨みがましく唸る少女に始める前までの勢いは無い。そっと背後から男がシーツごと抱き締めるとぴくりと細い肩が揺れた。
「最初は痛いって知ってたんだろーが。ちゃんと俺だって忠告してやったぞ」
「けどその後気持ち良くならんかった」
「気持ち良くなるのはこの後だっつの」
シーツの合間を掻い潜り素肌へと掌を滑らせ淡い胸の膨らみの先にぷくりと膨れた乳輪ごと指先で摘んで転がすとひぅ、と息を呑む音が小さく響いた。覚えたての快感に身体が強張る隙に赤と白に塗れた下肢へも手を伸ばし、傷ついた入り口を避けてまだ固さを残す突起を爪先で引っ掻く。
「っひゃ…ッあ、…ッゃ、其処は、…ッ」
「ほら、こっちは気持ちいーんだろ?一度破れちまえばこっちだってその内よくなって来るさ」
互いの体液の滑りを借りて一度だけ入り口を撫で、それからまた突起を捏ね回されて震える耳元に囁くと少女の身体がびくびくと戦慄いて甘い声を上げる。初めてとは思え無い程に飲み込みの良い身体に男の唇がゆっくりと弧を描いた。これから当分、少女を手放せそうにない。

拍手[0回]

TemplateDesign by KARMA7

忍者ブログ [PR]